障害年金で遡及請求を行う際のポイント~遡及請求が難しいケースなど~

障害年金とは

障害年金は、病気やケガにより生活や仕事が制限されるようになった人が、一定の条件を満たすことで受け取れる年金制度です。国民年金または厚生年金に加入していた期間があることが基本条件で、障害の等級によって支給される金額が異なります。

障害年金を請求できるタイミング

障害年金は、「初診日」から1年6ヶ月経過した時点(またはそれ以前に症状が固定されたと医師に診断されたとき)から請求できます。この「障害認定日」が重要なポイントとなり、請求のタイミングに大きく関係します。

遡及請求とは

遡及請求とは、本来であればもっと早く障害年金を受け取れたはずの人が、過去にさかのぼって年金を請求することを言います。たとえば、障害認定日から何年も経ってから申請した場合でも、条件が整えば、その認定日時点からの年金をさかのぼって受け取ることが可能です。

遡及請求をするためのポイント

遡及請求を成功させるためには、いくつかの条件があります。

初診日の証明:過去の医療機関での受診記録が必要です。
障害認定日時点の診断書:その時点で障害の程度が該当していたことを証明する診断書が求められます。
保険料の納付状況:初診日の前に一定期間、年金保険料を納めていたか免除されていたことが条件です。

これらが揃わないと、遡及請求が認められない場合があります。

すぐに申請した方が良いのか

基本的には、障害認定日を過ぎたらすぐに請求するのが望ましいです。早めに申請すれば、早く年金を受け取ることができるからです。また、遡及請求には5年の時効があるため、あまりにも遅れると本来受け取れたはずの金額がもらえなくなる恐れがあります。

遡及請求で支給される金額

遡及請求が認められた場合、その期間分の障害年金が一括で支給されます。たとえば、障害認定日から4年間分の障害年金が遡及で認められた場合、その4年分がまとめて振り込まれるのです。金額は障害の等級や加入していた年金制度によって異なりますが、数百万円単位になることもあります。
障害年金の種類(障害基礎年金・障害厚生年金)、等級、遡及年数によって金額は変わります。

✅ 例:障害厚生年金2級(会社員)を3年遡及請求した場合

• 障害厚生年金は報酬比例部分あり
たとえば、年収400万円で約20年勤務していた場合、障害厚生年金の2級での支給額はおおよそ年間 130万円前後

• 遡及3年分の合計支給額:
約130万円 × 3年 = 約390万円
▶ 配偶者や子どもがいる場合は加算があり、さらに増える可能性があります。
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🔸補足:
• 遡及請求では、時効により最大5年分までしか遡れません。
• 実際の金額は、加入期間や報酬額、扶養状況などによって大きく変わります。
• 正確な金額を知るには、年金事務所での試算や、専門家による診断がオススメです。
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遡及請求が難しいケース

以下のような場合、遡及請求が難しくなる可能性があります:

• 初診日の医療機関がすでに廃業していて、証明書類が取れない
• 障害認定日時点の診断書が取れない
• 障害認定日時点で障害の程度が軽く、等級に該当しない
• 保険料の未納があり、納付要件を満たしていない

これらの場合でも、社会保険労務士など専門家の支援を受けることで可能性が広がることもあります。

 

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